怪我サポート

当クラブでは週に1度、痛みやパフォーマンスの低下を来した選手をケアする機会を設けています。

スポーツ分野にケガは付き物ですが、それで済ませて果たして本当に良いのでしょうか。私たちが目指していくものはケガを事前に予防するカラダを作ることです。具体的に言うと、カラダのバランスが良くなれば、転ぶことも少なくなります。骨折なども当然少なくなるでしょう。カラダの各関節の動きが良くなり、柔軟性のある筋肉が備わっていれば筋肉・靭帯の損傷などを防ぐことが出来るでしょう。

ケガを未然に防ぐカラダ作りをサポートすると共に、選手自身が自分のカラダに向き合い、考えていけるような関わり方を行っています。自身のカラダから心の成長も促していく、それがFUJIトレの在り方です。

今回は、成長期に多いセバー病(踵骨骨端症)に関してお伝えします。

この半年でも、数名の選手がこのセバー病に悩まされていた頻度の高いケガとなります。

 

セバー病とは

別名Sever(シーバー)病とも呼ばれています。8~12歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの軽い腫れ、圧痛、歩行時痛が症状です。過激な運動のあとに症状が出ることが多く、かかとの痛みのため、つま先歩きになることもあります。急に痛むというよりはジーンとするような慢性的な痛みが特徴です。

 

原因は?

発育期の子どもの弱い踵骨骨端部(かかとの骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に運動などで負荷がかかり、そこにアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、踵の骨に血流障害が起こり、踵骨骨端核(かかとの骨の骨端軟骨より先の部分)の壊死(えし)、または骨軟骨炎を発症するといわれています。

 

治療

セバー病の治療に関して
① 炎症(赤み・腫れ・熱感など)があり、歩くだけでも痛みがある場合には運動を休止する。
② 運動時のみ痛む場合には運動の頻度および強度を抑え、出来るだけ足を安静に保つ。
③ 運動後にはアイスマッサージをしてかかとの周囲を冷やす。

④ 柔らかい素材でできたパットでかかとを覆い保護する。(ヒールパット)
⑤ ふくらはぎやすねの筋肉、アキレス腱をストレッチで柔らかくする。

経過として、完治までに1年~数年かかる方も少なくない病気です。したがって、罹ってしまってから治すのではなく、事前に予防することが非常に大切なのです。今回は、セバー病の予防方法であるストレッチの方法をお伝えします。是非、実践してみてください。

 

ストレッチ

ストレッチは必ず運動の前後(出来れば運動の合間にも)に行うことが望ましいと言われています。運動前には準備運動(ウォーミングアップ)として、そして運動後には筋肉・関節のケア(クールダウン)として行います。また普段の生活の中でも取り入れることで筋肉の柔軟性が改善しやすいので是非実践してみてください。ちなみにですが、筋肉の柔軟性が低い状態での筋力トレーニングは運動パフォーマンスの改善につながりにくいと言われています。

 

 

<ふくらはぎ(アキレス腱)の筋肉のストレッチ>

123回 左右10回 1回につき1020秒程度 

※運動前後には必ず実施し、過度な痛みが出る場合は中止してください。

 

①立った状態で、壁に手を付けストレッチしたい方の足を後ろに引きます。

②足の裏はしっかりと地面につけた状態でゆっくりと膝を伸ばしていきます。

③ふくらはぎが伸びる感じがあれば、正しいく実施できています。

<すねの筋肉のストレッチ>

1日2~3回 左右10回 1回10~20秒程度 

※運動前後には必ず実施し、過度な痛みが出る場合は中止してください。

 

①立った状態で、足の指を曲げるように地面に接地させます。

②そこから足先は動かさず、ゆっくりと膝を伸ばしていきます。

③足の甲・すねが伸びる感じがあれば正しく実施されています。